病院と治療法

分離不安

分離不安と呼ばれるものは、幼い子どもが母親から距離を置くとすぐに泣いてしまったりお母さんのところに行こうとする行動を指します。1歳に入る時期になると、子どもは近くに親がいると安心できてなくてはならない存在と判断しています。ですが、このくらいの子どもには時間の感覚や記憶力が備わっていないため、ひとたび親と離れると戻ってくるのか否かが考えられずに、不安を感じるとされています。

 

すぐに戻ってきてくれると理解できるようになれば不安な症状は軽減されていきます。こうした症状は、親子関係が良い状態であることを表していますが、よっぽど反応が強い時には、そういったリアクションに困ってしまうでしょう。大抵は、3歳になった頃には分離不安の症状がなくなってきます。このため、その時期までは経過観察を行うぐらいで問題ありません。

 

けれど、それが長期化してしまうと、その先学校生活を送る上で支障をきたしてしまいます。家から外に出ていくことに不安を感じてしまい外出をしたがらない・親から離れられない・頭痛や腹痛を訴えて悪夢まで見てしまう・自分一人だけでは眠ることができないなどのトラブルが見られます。

 

足を運んだ経験がないところに行くことに対し不安を覚えることは往々にしてありますが、しばらくしてもその症状が強いままなら分離不安になっているかもしれないと怪しんでみましょう。必要以上の不安症状が1ヶ月以上解消されないようであれば、医師に相談することも視野に入れましょう。医師によって行われる適した治療が子どもの不安感を消すのに役立ち、安心させてくれるでしょう。

 

 

分離不安を患っている子どもは、いつも何かしらの不安を感じていると言われています。子どもが安心感を持っている家・部屋・人などから離れた際に、激しい不安を覚えて苦しい状況に追い込まれます。離れた状態で目にうつらない相手を気にする性質があって、安否確認を行わない限り落ち着かないほどの不安感に支配されるようです。

 

自分と離れたところにいるうちに、頼っている人が何らかの異常に見舞われるような気持ちになるのです。こうしたことから、一人だけでは外に出掛けられなくなったり、家にいても一人で部屋にいることもできない子どももいます。そうした子どもは、親からずっと離れることなく、家の中でも親から離れられません。分離不安になっている子どもは、自分だけで眠ることも難しいものなのです。

 

眠っていることを確認するまで、そばにいてもらわないとダメだと訴える子どもも相当数います。眠りに就いてから悪い夢を見る子どもも数多くいて、家族に悪いことが発生する夢を見てしまいますます心配になってしまう場合もあります。離れるという不安のせいで身体的な問題が出てくることもあり、腹痛や下痢、これらの他に頭痛などが起こります。

 

こうした症状を話された親は、原因が分離不安にあるのだと特定しにくいときがあります。心細さのせいでこういった症状が現れるのは珍しくないですから、身体的症状も分離不安の一つだと知っておきましょう。こうした状態が1ヶ月間も継続しているのなら、分離不安障害だという診断が出されることがあり、治療を受ける必要が出てきます。なるべく早く治療をし始めれば、自分で調整する方法を習得させることが可能となるため、早い時期にふさわしい治療を施すことが肝心になります。

 

 

子どもの約15%ぐらいが育っていく段階で不安障害を抱えるとされていて、分離不安もこの中の一つだと言えます。不安障害は一種類だけでなく、分離不安に限らず、パニック障害を始めとして、強迫性障害、恐怖障害、特定恐怖症、急性および外傷後ストレス障害があります。できるだけ早く治療を開始することが望まれ、深刻な事態にならないうちに処置を施すようにしましょう。

 

分離不安障害に対する治療では、症状の現れた年齢に即した治療をしなければなりません。遊戯療法・認知行動療法・家族療法・薬物療法などを選択して治療を進めます。遊戯療法と呼ばれるものは、3歳から12歳までの子どもに対して行われる治療法で、遊んでいるうちに気持ちのバランスを取ることや自分以外の人との交わり方に関して身に付けることが可能です。

 

遊びの継続によって本人の発達状態をつかみ、子どもが心の中でどのような葛藤があるかを診断できます。認知行動療法というものは、物事を悲観的に捉えてしまう子どもの分析をすることから着手します。通常の人たちとは違う偏向した状態の思考パターンを修正することが目的とされています。良くない考え方から、肯定的に考えられるように影響を与えてくれます。

 

家族療法というものは、分離不安障害を患う子どもだけでなく、いつも一緒にいる家族にも行動を求められます。良い家族関係を築くために行う治療で、子どもを中心として家族全員が一つとなって、相互治療で解消していきます。薬物療法とは、抗不安薬を取り入れて治そうとするものです。治療は焦ることなく、完治まで根気強く続ける必要があります。

 

 

もし自分の子どもが分離不安になってしまったら、一体どのような対処が求められるのでしょうか?親が子どもの症状に不安を覚えるようなことがあると、これが原因で子どもの不安を膨らませることになります。感じやすい子どもだと、親の動揺を察知してしまいます。重大なことと捉えてしまったため、あれこれ考えすぎて親が家を離れられないこともあります。

 

そうなると、家族が日々を送る上でもひずみが生じることとなり、家族みんなに飛び火する形となってしまいます。分離不安とは子どもの成長する間に見られるものなので、焦らずに対処することを強く意識するようにしましょう。安心できる家や家族と一緒にいられないことに大きな恐怖感と不安感を持ってしまうので、極力不安の元を取り払う努力が要ります。

 

外出に際して取り組むことは、誰がいつまで外に出ているのか、そのあいだは誰がいるのかなどを最初に知らせておくことです。外出中は確実に連絡がとれる環境を整えておいたり、母親などの信頼できる家族の写真をそばに置いておくことも有効だとされています。こんな風に、子どもの中にある不安材料を解消するように、問題が起こる前に対処するのが前提となります。

 

普段から日程を明らかにして、誰がどのタイミングでいなくなり、どのタイミングで帰宅するのかを認識させることが大事です。帰ってこないのではないかという不安材料をなくしておくのです。教えていた時間に間に合わないときなどに、絶対に連絡することができる電話番号を告げておくことも肝心です。どのような症状が分離不安で起こるのかを分析し、子どもがどのようなことをキャッチして不安に思うのかを明らかにしてから策を講じましょう。

 

 

分離不安障害は幼い子だけにとどまらず、育ってもなお生じる場合があります。中学生・高校生あたりの分離不安に関しては、身体的に異常が出ることによって認識できることが少なくないとされています。頭痛や腹痛以外に微熱などの症状が継続し、重症になると過敏性腸症候群や自律神経失調症などが引き起こされることも頻繁にあります。

 

日常生活の中で朝と夜とが逆転してしまったようになることも多々あり、学校に通わなければならない朝に起きることができなくなる子どももいます。中学校や高校に通う子どもがいる親は、可能な限り早い段階で学校へ行かせたいと強く願いますが、分離不安を引き起こしているときにこういうことを考えるのは相応しくありません。分離不安を治すことだけに集中し、一般論はこの際排除して、融通をきかせて対応していくことが子どもを悩みから解放してやれる方法です。

 

何もせずに一日過ごしていたとしても、怒らずにどんと構える気持ちが大事になります。分離不安とは、不安に感じる理由を把握することが症状緩和に繋がりますが、少しでも早くに完治させたいからといって無理に話させるのは良くありません。子どもの側から話をしてきた場合は、話している間は余計な口出しなどせずに、全部言い終わるまで黙って聞き役に徹しましょう。

 

子どもの言い分を十分に聞くことが欠かせません。早く学校に行かせようとする気持ちを押し付けることはむしろ悪化させる可能性が高いですし、命令口調や嘆願口調になるのもいけません。子どもがどのような様子なのか確認することを徹底し、気になるからと勝手に子どもの部屋や持ち物に手を付けるのはやめましょう。

 

中学生や高校生に引き起こされている分離不安には、家族療法や専門家のカウンセリング治療などが効果的だとされています。親の一方的な先入観を捨てて、子どもも親も楽になれる治療を行うのです。

 

 

不登校になってしまった要因は様々あり、これには分離不安が含まれます。これ以外には、神経症、甘え、無気力、学力や発達遅延、真面目な子でいることに疲れた、学校内で起こったトラブルがあるときなどが挙げられます。分離不安による不登校には特色があり、小学校低学年で発生し、お母さんから離れることが不可能で学校へと通学することができなくなります。

 

けれども、学校でも母親と一緒にいられるなら、通常どおり学校に通うことができます。分離不安が悪化すると、赤ちゃん返りなどといった支障が生み出されます。分離不安に起因する不登校の子どもを、学校に通わせようとするのでしたら、まずは母親が同行するといった対応策を取る必要があります。

 

学校からサポートを受けることも欠かせず、担任の先生に症状を認識してもらうことと、保健室にいる先生と共に子どもの様子を見守ることが大事です。母親がそばにいると感じられれば、通常どおりの学校生活ができるようになるため、徐々に離れる訓練に取り組むようにします。教室に一人で行けなくても、誰もいない放課後なら大丈夫という子や、保健室だったら平気という子も存在します。

 

分離不安を治すための治療法であると理解し、焦らずに対処していくことが早い回復へと通じます。分離不安が原因の不登校の特徴は上記の通りですが、該当するところがないのであれば、それ以外に原因があるのかもしれません。

 

不登校になるきっかけは数多くありますので、多角的な分析を実施し、その子に適した治療の方法を見つけ出していきましょう。治療を行なっていても良くなるだけでなく後退してしまうこともありますので、根気良く取り組むことが大切です。

症状一覧 (順不同)